市職員の市税、保育料、市営住宅家賃、水道料金などの
滞納に関する情報を各業務所管課から監察部門に提供することについて
1 市職員の市税、保育料、市営住宅家賃、水道料金及び下水道使用料の滞納に関する情報について、服務監察事務として、業務所管部局と服務監察部門が連携して滞納指導に当たるため、各業務所管課から監察部門に提供することが、2007年1月24日に開催された個人情報保護審議会に当局から諮られた。
審議会においては、服務監察部門での情報の保存年限、提供先での情報管理等、情報の取扱いは慎重に行うようにという意見が出る一方で、義務を果たさない者の個人情報をどこまで守るべきかといった意見も出される中、承認されている。
2 今後、業務所管部局による納入指導に応じない場合には、服務監察上必要な情報として、当該職員の滞納情報が業務所管課から監察部門(人事部人事課及び当該職員が属する局区等の監察主任(庶務担当部長))に提供され、その後の指導に応じない者は懲戒処分や分限処分の対象にするというものである。
3 昨年来の度重なる市職員の不祥事の中、税をはじめとした各徴収業務は大変厳しいものとなっているが、市職員が滞納しているという事実が判明したことにより、これらの業務がより一層厳しいものとなっており、徴収関係職員は額に汗しながら徴収業務に当たっている。
市税、保育料、市営住宅家賃等については、市民としての義務や行政サービスに対する対価であり、市職員がこれらを滞納するというようなことがあってはならないということに異論はない。
4 しかし、徴収関係職員が知り得た市職員の個人情報が、『服務監察上必要な情報」であっても、服務監察部門に提供されることについては、個人情報保護の観点から単純に容認できるものではない。不祥事対策なら市職員の個人情報がどのように扱われても良いという風潮は厳に慎むべきである。
一般的に市職員であってもその個人情報は保護されて当然である。市職員の滞納をなくすためとはいえ、服務監察を担う人事部門に滞納情報を含む業務上知り得た市職員の個人情報を集めることについては、市役所内における個人情報の取扱としてこれまで議論されたことはなく、労働組合でも、徴収担当者をはじめ関係部署においても、その合意(コンセンサス)は得られていない。また、市職員といえども、仕事を離れれば、一人の市民として日常生活を行っており、日常生活における様々な情報については、市職員としてではなく、一人の市民として個人情報は保護されるべきである。
5 もとより、市職員の滞納事案は、徴収関係部門において遅滞なく滞納処分が実施されるべきであったにもかかわらず多くの滞納者を生み出したことについて、その背景の分析と抜本的な対策の強化が議論されるべきである。
また、市外に居住している職員も多いが、それらの自治体に税、保育料等の滞納情報の提供を求めなければ、税、保育料等を滞納していたとしても処分されることはなく、公平性に欠けることは否定できない。
あわせて、市税等の滞納が継続すると差押さえの手続きが取られるが、市職員であれば差押さえまでに所属からの「指導」があり、事務的に進められる一般の例と比べると、逆に厚遇させることになってしまうことになり、これも公平性に欠けると指摘せざるを得ない。
6 今回の個人情報の目的外利用・提供については、懲戒処分・分限処分といった脅しを背景として滞納実態を解消させることにより「改革大綱」を達成し、今年度内に「不祥事終息」を宣言したい当局の拙速・稚拙な手法という批判をまぬがれない。前述のとおり、個人情報の保護の観点、公平性の観点からも大いに疑問が残ることから、京都市職員労働組合としては、これに反対するものである。
2007年2月
京都市職員労働組合中央執行委員会