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2017年02月14日

「合築」ありきで公的責任撤退 「はぐくみ局」創設と大きな矛盾

「合築」ありきで公的責任撤退
「はぐくみ局」創設と大きな矛盾

京都市3施設の合築方針を考えるフォーラム

2月2日、京都アスニーで「京都市3施設の合築方針を考えるフォーラムvol.3」(同実行委員会主催)が行われました。「3施設合築の背景―公共サービスの市場化と公共施設の統廃合施策」と題した講演・経過報告・民生支部をはじめ現場からの発言などで、問題点がうきぼりになりました。計画の見直しを求めて、運動を大きくしていきましょう。

いまだ「姿」不透明な合築

基調報告では、2014年2月市会で、「障害保健福祉施策の総合的な推進と児童福祉施策の充実・強化に向けた取組方向」として、3施設合築方針が明らかにされて以降、3施設合築後の施設の姿や役割・機能については、現在に至るまで具体的内容は示されていません。
その一方で「集客観光行政」が経済のけん引役に位置づけられ、「京都市資産有効活用基本方針」で資産は経営資源と定義され、貸付・売却で社会的に有効活用すること、市民・事業所からの提案制度による資産活用などが示されました。そして、医療・福祉施設の廃止・民間化がすすめられており、行政の公的責任を撤退させていることが指摘されました。

〝解体〟させられる保健センター

そして、市長公約とされる「子ども若者はぐくみ局」創設も、地域の保健センターが担ってきた保健衛生行政の後退を招く集約化がすすめられており、ここにも財政圧力が貫かれているとしています。
集会では、子どもたちの全面的な育ちや障害のある人たちの権利の保障、そして健康を守る保健福祉行政を後退させないために公の責任を明らかにし、合築を立ち止まらせようというアピールを採択。引き続き運動をすすめていくことが確認されました。

 

記念講演(要旨)

国の「地方創生」戦略があとを押す公共施設の産業化

京都大学大学院教授 岡田知弘氏

合築問題は、京都市独自の福祉政策の中で生じている問題であると同時に、国の道州制をめざす「地方創生」戦略や公共サービスの市場化政策の一環として生じている。
2014年4月、総務省が「公共施設等総合管理計画」策定を自治体にもとめ、財政的措置による誘導のもと、京都市は①公共建築物の複合化や多機能化の方策を講じていくこと、②保有資産の有効活用、③市民や民間事業者共同による取り組みを進めること―を「京都市公共施設マネジメント基本計画」として2015年3月に策定。
2015年6月には、政府の「骨太方針2015」により公共サービス「産業化」推進、医療・社会保障歳出削減、そして地方交付税算定方式を「標準」から市場化前提の「トップランナー方式」に切り替えられ、公共施設の民間移管などに拍車がかかる状況になっている。

公共施設を住民に取り戻すために

公共施設は本来、地方自治体の最大のミッションである「住民の福祉の増進」を実現するための住民の財産であり、施設である。
そして個々の施設には、固有の歴史に基づいて設置・運営されてきた独自性を有する。これを国、地方自治体の財政事情、民間企業の収益事業として、私物化を「第一」にして再編・統廃合、市場化するとすれば、地方自治法及び憲法の理念に反する行政行為といえる。
住民の状況や要求に即した公共施設の配置と整備を進めるために、公共サービス産業化政策に対する運動とともに、国がすすめる公共施設・サービスの私物化政策に対する包囲網を全国的につくることも必要である。