ノーベル平和賞受賞ICANの川崎さん講演会
ノーベル平和賞受賞ICANの川崎さん講演会
「核兵器で平和は守れるか?」
私たちに問われる危機意識
ヒバクシャ署名京都の会は2月10日、コープイン京都で「核兵器で平和は守れるか?」と題し、ノーベル平和賞受賞のICAN国際運営委員・川崎哲さんの講演会を開催。160人が参加しました。
川崎さんは、世界全体の核問題について、「核軍縮が停滞し拡散する中、世界にはまだ、1万5000発の核兵器がある。この数は人類を何回でも抹殺できる数。人類を一回でも抹殺できる数がある以上、数が減っても本質的差はない。北朝鮮の核はそのうちの10発。北朝鮮の核問題を解決するということの先に、世界の核問題を解決するという道筋を描かなければ、本当の意味での解決にはならない」と指摘。「核兵器禁止条約は、そのための解決のプロセスを初めて示した条約」と語り、北朝鮮の非核化への核兵器禁止条約の意義と役割の重要性を訴えました。
また、日本が条約に参加しない理由として、「外務大臣が『核抑止力の正当性を損なう』と発言したが、森友問題と同じくらい大問題にならない日本はどうかしている。私たちはもっと危機意識を持つべき」と語気を強めました。
憲法9条1項違反見逃さず議論を
最後の質疑応答では、「憲法9条の大切さをわかりやすくみんなに伝えるには?」との参加者からの質問に、「核抑止は相手が思いとどまると想定し、核兵器を使えるように準備しておくこと。日本は憲法9条1項で、『武力の威嚇・行使は永久に放棄する』と明記しているにもかかわらず、核兵器禁止条約に参加せず、核抑止に依存する政策を継続している。9条の2項3項を議論する以前に、1項に違反していることをもっと論議すべき」と述べました。
核兵器禁止条約は現在、56カ国が署名し、批准国は5カ国です。早期の発効をめざし、署名、批准を増やしていく運動を進めるとともに、市民レベルでできることは、「話題にすること」と力を込める川崎さん。ヒバクシャ国際署名運動をひろげ、国民的議論を大きくするため、市職労もともに運動を進めます。