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2018年10月19日

【ザ・しょくば】2018.10.11

瀬戸内海にある「大久野島」をご存じだろうか?。野生ウサギが生息する人気の島だ。小学校の修学旅行で訪れたが、廃墟と化した遺構に不気味さを感じたことを覚えている。先日、その島へウサギの里親募集が縁で、家族で旅行した。▼「ウサギ島」は戦時中、秘匿の化学兵器工場があり、地図から消された。毒ガスの使われた中国では、日本政府に対し、いまも救済を求める声がある。▼生物兵器を研究していた「旧731部隊」の軍医が、京都帝国大(当時)に申請した学位論文に、研究者から「人体実験の疑いがある」と指摘されていたが、京都大学は9月、調査開始を明らかにした。実験に使った「サル」がペストを発症し、「頭痛や食欲不振を訴えた」と記されている事が問題となっているのだ。どんな事実が「消され」たのか?▼戦後、日本は資料提供と引き換えに、関係者の訴追を免責する約束をGHQと交わし、日本の医師や医学者の犯罪が裁かれなかった。医療界自ら、振り返って反省し、謝罪もしなかったと知り、「納得」した。▼安倍首相は、医学・医療を成長戦略の道具とみなし、生産性や効率性を最優先に、「対話より圧力」と米国の軍事力行使を容認する。▼京大の決定が、人間の命や尊厳を軽んじる政治への警鐘となってほしい。歴史に学び、向き合う、医療の倫理と人権を守ろうとする動きだ。30年前、「ウサギ島」へ引率してくれた先生に感謝したい。
(うさぎのうーちゃん)