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2019年03月01日

2019年度京都市予算に対する声明

2019年度京都市予算に対する声明

京都市は2月12日、2019年度当初予算案を発表しました。京都市の予算案は、「SDGs」の達成を理念としては掲げるものの、その内実は行財政改革の徹底や京プラン後期実施計画の遂行で、安倍内閣の地方創生戦略を京都市に持ち込むものにほかなりません。「民間でできることは民間に」と自治体の公的責任を投げ捨て、医療・介護・子育てなどの社会保障や生活に欠かせないインフラや市民サービスを切り捨てて市場に投げ与えることを率先して進めるものです。
予算規模は全会計で1兆7,223億円(一般会計7,944億円、特別会計6,606億円、公営企業会計2,672億円)で、一般会計は前年度当初比1.3%と2年連続して過去最高を更新しています。
一般財源収入の状況では個人市民税が4.5%増の1,142億円、法人市民税が18.3%増の333億円となりましたが、国からの地方交付税や臨時財政対策債は6.0%減の994億円にとどまっており、厳しい財政運営に変わりありません。こうしたなかで、行財政改革の徹底をさらに進めるとして、職員数143人削減など人件費の削減(12億円)、事務事業の見直し(40億円)、資産の有効活用等(20億円)を行ってもなお128億円もの財源不足が生じるとして、2020年での脱却を目標としている特別の財源対策(行政改革推進債、公債償還基金取崩し)を本年も講じるとしています。
しかし、財政が厳しいと言いながら、総事業費が2兆円規模といわれる北陸新幹線の誘致を進めるとともに、リニア新幹線誘致や堀川地下バイパストンネル計画、規制緩和と大型開発を前提にした京都駅西部・東部・東南部エリア開発、ホテル建設など呼び込み型の企業誘致路線を進める一方、市民の切実な要求に応える予算案とはなっていません。
介護保険認定給付事務の民間委託と嘱託員130人の雇止めについては、介護保険特別会計にシステム改修などの事務費が計上されました。また、区役所窓口業務の民間委託についても、右京区役所でモデル的に実施するとともに、「民間活力の導入」を前提としている郵便請求事務センターの設置の予算が盛り込まれました。こうした公務の産業化は、公的責任を著しく後退させ、個人情報保護や市民サービスの大きな後退を招くことになります。効率化をうたって税部門がすべて集約化されることで、このままでは区役所・支所では税金の相談に応えられない行政に変質してしまいます。保育所整備に関しては、楽只保育所の実施設計予算がつけられましたが、京都市は建設後の民間移管を否定していません。自治体の公的責任を果たし、市民のいのちと暮らしを支える市政を築くことが急務です。
2018年度の自然災害の復旧・被災者支援に126億円、防災・減災にかかる予算として500億円を、2月補正分を含めて確保しました。しかし門川市政は、災害対応と市民の安全・安心の拠り所となるべき区役所・支所の機能を後退させ続けてきました。防災対策に必要な職員体制と恒常的な経費を抜本的に拡充し、昨年の災害の教訓を生かした対応が早急に必要です。
子どもの医療費助成については、市民の強い要望と運動のもとで、自己負担額上限1ヶ月3,000円を1,500円に引き下げました。しかし、京都府では京都市以外のすべての自治体がほぼ無料の制度を採用しており、京都市は府内で最も遅れた自治体のままです。中学校卒業まで無料にすることが求められます。
また、敬老乗車証の応益主義への制度改悪は2019年度も見送られ、6年間改悪をストップさせました。市民の粘り強い運動の成果であり、京都市はこうした声を聴き改悪計画を断念すべきです。
まちづくりにかかわっては、土地利用の促進、産業用地の創出にむけた新たな規制緩和、学校跡地をはじめとする公有地の民間企業への差し出しを引き続き進める予算となっています。「稼ぐ文化」「稼ぐ観光」をかけ声に、ホテル・民泊ラッシュとインバウンド頼みの呼び込み政策で、観光公害とも言われる事態を引き起こしています。京都を企業の稼ぐ場に提供するのではなく、「住んでよし、訪れてよし」の京都にするための市政の転換が求められています。
私たち京都市職労は、市民が安心して住み続けることができる京都市政をめざして、市政リストラに反対し、市民サービスを守るために、雇止めと人員削減攻撃を跳ね返し、市民・関係団体のみなさんとともに、市民の切実な要求実現に向けた運動をいっそう強めて奮闘します。

                                                                               2019年2月26日
京都市職員労働組合中央執行委員会