2020年10月05日
【ザ・しょくば】2020.10.1.
若くして「退職」を選択する職員がいる。2019年度の30歳までの若手職員の退職者数は、30人であったという。その前年度も同程度の退職者がいたらしい。▼本部交渉で、当局は、若手職員の退職理由に多いものとして、「結婚」や「出産」をあげている。結婚や出産が理由なのだから、退職するのも仕方ないよね、と言っているように聞こえる。▼しかし、結婚にしたって遠方に行かないのであれば退職する理由にはならないはずだし、出産にしたって産休や育休などの休暇制度があるではないか。要は、産休や育休が取りづらかったり、京都市の職員として働き続けることに魅力を感じられなくなったり、ということなのではないか。▼私が聞いた話でも、結婚を機に退職するという人がいたが、もう少し深く聞いてみると、仕事が辛く、そのタイミングでちょうど結婚するのでこの機に辞めるというものだった。この場合でも当局は、「結婚」を退職理由にするのだろう。彼女は「仕事が辛かった」のだ。「結婚する」から辞めるのではない。▼京都市のために働きたい、住民のために働きたいという思いで入庁して、これから様々な知識を身に付けて活躍するはずの若手職員が退職することは、京都市にとっても痛手であるはずだ。「他にやりたいことができた」などのポジティブな理由なら仕方がないが、仕事が辛く辞めていく若手職員がいる現状が、そのままでいいはずがない。(フェニックス)