2020年10月16日
人事委員会が市長に初の是正勧告
人事委員会が市長に初の是正勧告 ―36協定違反・不払残業
9月8日、京都市人事委員会は京都市京セラ美術館で労働基準法違反があったとして京都市長に対し是正勧告を行いました。内容は①36協定の延長時間を超える違法な時間外勤務を行わせたこと、②時間外勤務の支払いに不足があることが挙げられています。人事委員会が市長に是正勧告を出すのは初めてで、全国的にも珍しいとのことです。
勧告では、「美術館の管理職のみならず、使用者全体として、業務量に応じた適切な人員配置を行うことや、労働法令の遵守や労働時間の管理といった適切なマネジメントが適切になされていたとは言い難い」と指摘。法令違反の是正に留まらず労働時間の把握についても改善措置を講じて報告するよう求めています。これまで、京都市職労が求めてきた不払い残業をなくすために、まずは適切に労働時間を把握することの重要性が明らかとなりました。
京都市人事委員会は2017年に時間外勤務に関する職員アンケートを実施、2018年からは労基法等の適用状況を調べる事業場調査を行うなど、京都市職労が再三にわたり求めてきた労働基準監督機関としての役割発揮が進められています。ですが、美術館の事例は氷山の一角です。すべての職場で不当な働かせ方がなくなるように引き続き要求を強めていきましょう。