コロナ禍の自治体職場では今 ⑥ ─こどもみらい館─
大変だけど子どもたちが来てくれるから頑張れる
コロナ禍の自治体職場では今 ⑥─こどもみらい館─
京都市が所管する福祉施設は市民生活にとって欠かすことができず、職員はエッセンシャルワーカーとして働いています。こどもみらい館の組合員に取材しました。
こどもみらい館は、親子の交流やふれあいの場として、また子育ての悩みを相談できる場として、子育て支援を担う施設です。
大型総合遊具など、楽しいおもちゃがいっぱいの “元気ランド”は、親子が一緒に楽しく遊びながら子育ての交流もでき、見守る相談員に子育ての相談も気軽にできる人気のスペース。
新型コロナウイルス感染拡大がはじまって以降、感染防止対策のため、入れ替え制で利用人数を制限しています。
雨の日には利用者が多く、外で順番を待つ親子もいます。「待たせず子どもたちに遊ばせてあげたいのに、それができず、とてもつらい」と元気ランドを担当する組合員は話します。
一日3回、ボランティアにも手伝ってもらいながら壁から床、マット、おもちゃなど、1時間かけて徹底した消毒業務を行っています。
親子同士で、ふれあい遊びなどを通して自由に交流し、情報共有ができる場を提供する“井戸端会議”などのイベント開催時も、準備から片付けにいたるまで感染対策業務に時間と労力を要します。
「感染対策で業務も増え、確かに大変だけど、来てくれる子どもたちがいるから頑張れる」と、厳しい状況下でも笑顔がこぼれます。
コロナ対策業務が増えただけでなく、次年度から心理支援員の人員が減らされると、「市民からの相談に丁寧に寄り添えるのか」と懸念もあります。
「何気ない対話の中で、悩みを相談できることがある。今はコロナ対策で、細かな個人情報の記入や、検温で時間がとられ、あのお母さん、何か話したかったんじゃないかなと気がかりになることもある。相談業務が手薄になっていると感じる」と指摘します。
面接相談がコロナの影響で減っている状況に、相談業務を担う組合員は「子育てに困っている人たちが減っているわけではない」と市民にどうアプローチし役立てるか知恵を絞ります。