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2021年05月14日

【声明】聚楽保育所は廃止ではなく、市営保育所として存続を!!

【声明】聚楽保育所は廃止ではなく、市営保育所として存続を!!

2021年5月14日

京都市職員労働組合  中央執行委員長 永戸有子
京都市職員労働組合民生支部  支部長 南 隆一

京都市は、5月市議会に市営保育所である聚楽保育所を2027年度末に廃止する条例案を提出しました。私たちは、京都市が聚楽保育所の廃止方針を撤回し、市営保育所として存続させることを求めるものです。

「民間移管」できなかったから「廃止」というのは、あまりにも乱暴

聚楽保育所は、京都市が1949年(昭和24年)、中京区に設立した市営保育所です。2014年に民間移管対象保育所とされましたが、移管先法人の応募がなく、市営保育所として存続してきました。2020年には3回目の募集により一旦移管先法人が決定しましたが、その後同法人が辞退し、聚楽保育所の民間移管計画は白紙に戻っていました。

京都市は、移管の目途がたたないことを理由に聚楽保育所を廃止するとしていますが、本当の待機児童解消も十分できていないまま保育所を安易に廃止するということは、あまりにも乱暴でありえないことです。

 

聚楽保育所が地域で担ってきた役割

京都市は、聚楽保育所を廃止したとしても、地域における保育の需要を周辺の保育施設により満たすことができると説明していますが、本当にそうでしょうか。

聚楽保育所は7時から19時まで開所し、フルタイムで働いている保護者のニーズに対応していますが、同じ時間帯で開所している認可保育所は中京区で6か所しかありません。また、障害児等配慮が必要な児童を入所児童全体の2~3割程度受け入れており、保育が必要なすべての子に保育を保障するためのセーフティネットとしての役割を他の市営保育所とともに果たしてきました。入所児童の保育だけでなく、地域の方々を対象にした毎日の園庭開放や子育て相談、親子で遊ぶ場づくりなど積極的に行い、地域での子育て支援の拠点になっています。

このように市営保育所として果たしている役割は、周辺の保育施設でカバーできるものではありません。聚楽保育所の廃止は、地域から貴重な保育施設を奪うことになるのです。

 

保育所の廃止は保育の実施義務の放棄

京都市は、8年連続で4月1日時点の待機児童がゼロであると発表していますが、希望する施設に入れずに利用をあきらめるなどの「潜在的待機児童」は2021年度で398人もいます。また、年度途中はさらに入所しにくいため、待機児童は増えていきます。保育所に入りにくいという状況があるにもかかわらず、聚楽保育所を廃止するというのは、京都市が自ら保育の実施義務を放棄することにほかなりません。

私たちは、今回の京都市の乱暴な条例提案提出に抗議し、撤回を強く求めます。