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2021年09月03日

行財政改革計画で本当に財政再建は可能か?

行財政改革計画で本当に財政再建は可能か?

6月から7月にかけて行われたパブコメを経て8月10日に行財政改革計画が策定されました。

財政再生団体への転落を防ぐための非常に重要な計画ですが、このまま突き進んで本当に京都市の財政がよくなるとは思えません。

組合員のみなさんの中にも今の行財政改革の進め方に疑問があったり、スッキリせずモヤモヤしている方が多いのではないでしょうか?

今回はそんな行財政改革計画の問題を指摘したいと思います。


原因に地方交付税削減と大型公共工事

前提として財政が厳しいことは事実であり、行財政改革が必要だというのはその通りだと思います。

ですが、財政悪化の根本原因である、国からの交付税削減と大型公共工事の借金をどうするのかハッキリしないまま、市民の福祉を削減していくやり方には問題があります。

まず、根本原因の一つである、地方交付税削減に歯止めをかけて増やさないといけませんが、計画では「地方税財政制度の改革や支援措置の拡充等を国に対して強く求めてまいります。」と触れているだけで具体性はなく、地方交付税の回復は見込めないことを前提に計画をつくっています。

相手(国)のあることであり、簡単にいかないことは理解しますが、今後も減らされるようなことがあれば計画そのものが破たんしかねません。

また、財政を圧迫してきた大型公共工事は、投資的経費に上限を設けるとされていますが、今も大型工事が行われており、特に財政負担が莫大なリニア・北陸新幹線などをどうするのかもはっきりされていません。

この2つの要因をどう解消するのか示さなければ、いくら他で削減してもキリがありません。

盛り込まれた市民の福祉・人件費の削減

一方で、市民の福祉や人件費の削減が盛り込まれています。

市民の福祉削減もやむなしと見直しを進めていますが、市民生活への影響など具体的な検討は進まず、このままでは単にお金がないから削るだけになってしまいます。

福祉の削減は京都市内に住む魅力の低下に直結し、ただでさえ土地が高く他県に住む人が増えているのに、さらに市外への転出を加速させ、市税収入の減少に拍車をかけます。

計画には成長戦略として「令和15年度までに、一般財源収入を100億円以上(税収ベースで400億円以上)増加させる。」と目標を設定し、個人市民税の納税義務者数を4万人増加させるとされていますが、福祉を削減しながら実現できるとは思えません。

人件費も職員550人削減と賃金カットに加え、「令和15年度までに人件費が他都市平均以下となるように取り組む」(8月4日市長記者会見資料より)とされていますが、業務量の削減は具体性がなく、長時間労働の抑制や市民サービスの維持との両立はまったく見通せません。

計画策定に市民の声反映されず

計画を策定するうえでの市民理解も、深まるどころか悪化させています。

パブコメには9000件の意見が寄せられましたが、計画で変更されたのは前文のみで、公表されたパブコメ結果も賛成・反対の意見がどの程度あったのかも示さず、すべての意見をひっくるめて件数と代表的な意見のみ掲載しています。

これでは「市民の意見を聞いたというポーズだけだ」、「市役所にとって都合の悪い結果を隠している」と言われても仕方ありません。

市民負担強いる計画では理解得られない

さらに、9月1日発行の市民しんぶんで市民から反感を買っています。

今の行財政改革計画では、地に足がついた改革になっているとは思えません。

まずは、財政悪化の根本原因である、国からの交付税削減と大型公共工事の借金にストップをかけ、それでも足りないところは、詳細な検討のうえで優先順位をつけて市民への影響が少ない施策から削減していくべきではないでしょうか。

そうでなければ、市民からの理解も得られません。

 

副中央執行委員長 大野由晴