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2021年10月25日

デジタル法案と自治体デジタル化のここが問題!⑤

その4 住民の個人情報が脅かされる!本人の知らないところで悪用される懸念が!

日本の個人情報保護制度は、各地の自治体が国に先駆けて条例化することで発展してきました。

しかし、デジタル改革関連法案で制定された改正個人情報保護法は、行政機関に「相当の理由」があれば、本人の同意なしに個人情報を本来の目的外に利用し、第三者に提供できる規定も盛り込まれています。

収集された情報から他の個人情報を推測し、本人の知らないところで悪用されることが懸念されます。

情報が活用されることで、個人の趣味嗜好、思想信条、健康状態や行動パターン、能力などから、評価、分類、選別化され、行政や民間の各種サービスにおいて恣意的に誘導や制限、排除などにつながる危険性もあります。

本来、個人情報データの利活用の促進のために、プライバシーの保護は十分図られるべきですが、利活用を容易にするために、個人情報保護規制を緩和しているのです。

行政機関の監督を行う個人情報保護委員会が設置されますが、助言や勧告にとどまり、立ち入り検査や削除命令などの強い権限は認められていません。

デジタル化を進める以前に、透明性の確保と情報の公開、独立した第3者機関による監督の仕組みを強化し、個人情報保護のための法整備こそが必要です。

自治体のデジタル化と同時にマイナンバーの利用拡大も盛り込まれており、今後銀行口座等や、医師や看護師など国家資格と紐づけなども、強力に進められようとしています。

行政のデジタル化は、住民の個人情報を大企業に利活用させることが最大の目的であり、その障害となる個人情報保護制度の在り方をゆるやかな基準に統一させ、プライバシー権や自己情報コントロール権などの基本的人権を形骸化させる大変危険なものです。