発達相談所の業務移管に待った―区役所機能の後退の矛盾が露呈―
発達相談所の業務移管に待った ―区役所機能の後退の矛盾が露呈―
児童福祉センターの発達相談所で行っている業務を、各区役所・支所の子どもはぐくみ室へ移管する提案が、1月21日に民生支部にありました。
多くの保健師がコロナ応援に駆り出され、子どもに関する業務が次々集約されているはぐくみ室からは、交渉翌日から不安や不満の声が噴出しました。
民生支部の抗議の訴えを受け、局は提案内容を再検討するとしました。
意見集約に怒りや不安の声
提案された業務内容は、発達に遅れや特性のある子どもが、療育を行う児童発達支援事業や訓練などを行う放課後等デイサービス事業等を利用する際の、相談から支給決定業務までです。
現在は児童福祉センターの発達相談所で行っていて、移管後は、各区役所・支所の子どもはぐくみ室の、子育て相談担当(学区担当)が担うことになります。2017年に子ども若者はぐくみ室が創設された時から検討されていた課題で、今年の9月1日から実施するというものです。
交渉後すぐに、各職場への意見集約を行い、役員が職場を訪問し担当者と直接懇談する場も持ちました。
組合員からは「今の体制で更なる業務増は到底難しく、現実的ではない」「専門的な知識が必要な業務だが、移管により質の低下が懸念される」「今回の業務内容は、強引に押し通せば何とかなるという範囲を超えている。
無理な業務移管をしていることを理解してほしい」など、怒りや不安の声が多く寄せられ、それらを集約し局に伝えました。
提案内容
実施時期も含めて再検討へ
民生支部として、明らかに業務が増えるにも関わらず、実施体制がはっきり示されないままでは受け入れられないと通告し、合わせてコロナの終息に見通しも立たず、応援業務やコロナ感染などで通常業務にも大きな影響が出ている状況がある中での業務移管は、さらなる現場の混乱につながるため、実施時期も含めて提案内容の再検討を求めました。
3月22日、子ども若者はぐくみ局と保健福祉局は提案の今後の方向性について「一定方向性が見えるまでは、具体的な移管時期を定めず、継続課題として引き続き検討を進める」と通知しました。今後、移管時期や業務の実施体制の確保、研修や業務に関する情報提供の場の確保などが検討されます。
今回の提案は、市民にとって身近な区役所の機能の向上のために行うとしています。そうであれば、この間京都市が進めてきた保健所や介護保険をはじめとする『集約化』は、区役所機能の後退でしかありません。
京都市としての方向性のブレや計画性の無さも明らかにしました。市民にとっての市政の在り方を、職員の働き方ややりがいと合わせて、今後も引き続き追及していきます。