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2022年06月21日

わたしの仕事と市民の生活 My work for the whole community 「ごみ収集業務の現状と課題」

コロナ禍でもごみ収集は絶対に滞らせない

市民生活において、欠かすことができない仕事「エッセンシャルワーク」の1つに、ごみの収集業務があります。その業務を担う職員の思いと市の方針によって翻弄される現状を、清掃支部の組合員に聞きました。


委託化が進むことで問題も

「京都未来まちづくりプラン」の一環としてごみ収集業務を70%まで委託化するという市の方針により、2021年度時点ですでに63%が民間の業者に委託されています。

並行して運営経費の削減などを図る目的で進んでいるのが、まち美化事務所の再編です。11カ所あった事務所が7カ所に減り、2022年には、北部まち美化事務所と東部まち美化事務所を統合し、6カ所へとさらに減っています。

技能労務職員の採用は、今年9年ぶりに再開されましたが、2006年に999人いた職員が、2021年には417人まで減少し、それに伴い職員の高年齢化(2021年5月1日時点・平均年齢は約49歳)と年齢構成の不均衡、業務に関するノウハウの継承ができないなどの問題が起こっています。

すでに半分以上が民間委託されていることの影響について清掃支部の組合員は「まち美化事務所で委託業者の管理がしきれなくなってしまう。京都市当局も分かっているが、委託は進めると言う。今後、委託の割合がさらに増えることで、委託料のつり上げなどの問題も懸念される」と言います。

委託化は、業務の効率化やコスト削減が目的ですが、コストが安いということは、委託先の従業員の処遇が安く抑えられることや、業務内容の質の低下につながります。逆に委託料がつり上がることになれば、京都市としてコスト削減にはなりません。

 

丁寧な市民対応と仕事に対する責任感

市民対応や、啓発活動などもエコまちステーションやまち美化事務所が担っています。

区役所のエコまちステーションで働く組合員は「市民対応の内容はごみに関する苦情が中心で、怒って来所する市民も多い。話を聞いて問題が解決するとうれしく、やりがいにもなっていますが、中には怒鳴りっぱなしの人もいて、そんな時には落ち込むこともあります」と本音がこぼれます。

クリーンセンターには、家庭や業者から多くのごみが持ち込まれます。ごみの中には危険物が含まれていることもあり、それが原因で火災や故障が起きると、焼却炉の停止につながります。

ごみの処理ができなくなるだけではなく、現在センターで焼却の熱を使って発電し得ている電気が使用できず、電気を買うことになるといいます。

受付や案内業務に携わる組合員は「親切丁寧な市民対応」と、危険物の分別に気を配って業務を行っています。

まち美化事務所の組合員は「職員のコロナ感染者が複数発生した時には、本庁などからの応援体制を組んで、ごみ収集が絶対滞らないように対応しました」と現場の努力を語りました。

日常の業務以外にも、大規模な自然災害が発生した被災地へ駆けつけ、災害廃棄物処理のノウハウも培ってきました。

京都市は災害発生時にも対応できる直営体制を確保する必要があると認め、2022年4月から4人の職員が「総合環境推進員」という新たな職として採用されました。

新規採用があったものの、退職者数と採用数の差も大きく、年齢構成の不均衡など解決すべき課題は残されています。

清掃支部とともに引き続き改善を求めていきます。