2022年10月19日
ザしょくば【2022.10.15】
今、京都市の各施設に掲示されている「コスト掲示」に市民から怒りの声が出ている。▼「コスト掲示」とは、当該施設の利用者1人あたりの運営経費(光熱水費、事務費、人件費、維持費等)と収入(公費)を表示したもので、利用する市民一人に税金がどれだけ使われるのかを知らせる掲示物だ。施設の掲示板などに掲示され、同時に施設のホームページや京都市のホームページにも掲載されている。▼行政コストの見える化の観点から、平成24年度に始められ、これまで市会から度重なる指摘を受けて進められてきた。「行財政改革に市民の理解を得るため、行政サービスは市民の税金で成り立っていることを積極的に発信しなければならない」と、令和3年8月に策定された行財政改革計画では行政コストの見える化の充実が掲げられ、更なる掲示の徹底が図られている。▼市は施設について廃止を含めた検討を進めている。利用する市民に税金によるコストを意識させることで、施設の廃止や利用料金値上げについて理解を得ることが狙いだ。▼地域リハビリテーション推進センターでのコスト掲示には、「障害者への差別を招く」と市民団体から抗議の声が上がった。「コスト掲示」は利用する市民と利用しない市民の間に分断を招くことにもなる。施設の廃止や市民負担増を進める「行財政改革計画」のための、このような掲示は直ちにやめるべきだ。
(世を憂う人)