ラストスパートへ駆ける いのち守る33キャンペーン
京都市職労は、京都府職労連、大阪府職労とともに、保健師や本庁職員など自治体職員が過労死と隣り合わせで働いている現状を変えたいと、今年の春に「いのち守る33キャンペーン」を立ち上げました。
国に対し、長時間労働の規制や増員のための財政措置を求める署名の提出行動を11月2日に控え、10月13日にはラストスパート集会を開催。キャンペーンはいよいよ大詰めを迎えています。
現場の声を国に届ける「署名提出アクション」を30人の仲間と一緒に
キャンペーンでは、現場の実態、当事者の生の声を届けることが、現状を変える力になることを重視して、オンライン集会やSNSを通じて、発信を続けてきました。
7月の国会議員へのロビイング(要請行動)でも、当事者と一緒に現場のリアルな実態を訴え、その時に懇談した議員の働きかけにより8月の厚労大臣政務官との懇談が実現しました。政務官とのオンライン懇談でも、現場の実態を当事者から訴え、国に直接声を届けることができました。
11月2日の「署名提出アクション」は、単に署名を渡すというだけのものではなく、全国から現場の声を届け、国に対して最大限影響力を与えるアクションにしようと、自治体で働く仲間30人に参加してもらい署名提出に臨みます。また、署名提出前に、国会内で院内集会を行い、国会での審議に繋がるアクションになるように計画しています。
市職労としても、これまでキャンペーンの取り組みの中で、コロナ対応の保健師や本庁職員の声を発信してきましたが、「署名提出アクション」でも現場のリアルな声を国に届けていきます。
7月に市職労が行った「働き方実態調査」でも、長時間労働が健康不安を招いていることや、家族との時間が奪われるなど、健康や生活に及ぼされる影響について、多くの方から回答がありました。
こういう実態と当事者の思いをよりリアルに伝えるため、当事者のみなさんに、ぜひ「署名提出アクション」に一緒に参加していただきたいと考えています。
クラウドファンディングにもチャレンジ
「署名提出アクション」を成功させるために、組織も超えて、多くの自治体の職員、とりわけ当事者のみなさんに参加を呼びかけます。そしてアクションに参加する交通費の保障のために、「いのち守る33キャンペーン」としてクラウドファンディングにチェレンジすることにしました。
自治体で働く仲間が過労死と隣り合わせで働いている問題は、その当事者だけの問題ではなく、また自治体職員だけの問題でもありません。
「業務に追われ余裕がない中で、相手(市民)に寄り添う時間もない」「長時間労働は心を蝕む。そんな状態でいい制度、いい施策はつくれない」という当事者からの訴えにもあるように、自治体職員の長時間労働を放置することは、住民の命や暮らしにもかかわる問題です。
だからこそ、署名に多くの方々から賛同が寄せられているわけですが、今回の「署名提出アクション」も、より多くのみなさんからカンパという形で支援してもらうことで、このキャンペーンの社会的意義を高め、より強い力が発揮できると考えています。
広く支援を呼びかけますが、組合員のみなさんもぜひご協力ください。
署名の拡散にご協力を
署名は、オンラインと紙署名を合わせて3万人近くの賛同が集まっています。署名提出まで、さらに勢いをつけて少しでも多くの署名を持って「提出アクション」に望みたいと思います。すでに署名された方も、SNSでの拡散など引き続きご協力ください。
私も行きます!期待してます!
コロナ対応部署である医療衛生企画課の時間外労働が200時間を超える、そんな桁外れの時間外労働により、保健師を含む職員は命の危機にさらされてきました。
「何でもないのに仕事中に涙がでる」と言った保健師がいました。
「死ぬか、辞めるか」と言った保健師は、自分の命を守るために退職しました。
そんな声が、京都市からだけではなく、多くの自治体から聞こえてきました。公務労働者の命を守るため、「いのち守る33キャンペーン」が始まりました。
その中で、コロナ対応部署だけではない、過酷な労働の状況が報告されてきました。妊娠中の時間外労働により、流産という悲しい経験をした職員。精神的不調に追い込まれる職員の報告もありました。
住民の命は大事です。同じように私たち公務労働者の命も大事です。
公務労働者の命を守る「いのち守る33キャンペーン」へのご協力よろしくお願いします。
(保健師)
毎日3食ご飯を食べて、夜はしっかり寝て休息を取れる、そんな当たり前のことが確保され、人間らしく働ける職場になってほしいと願っています。
(医療衛生企画課で働いていた保健師)
「人を増やす以外に解決策がなさそうです」「仕事中はずっと力が入っていて肩凝りがヒドイです」
「スピードを求められるのがしんどい」「周りには不思議と『仕事人間』が多くて残業が当たり前になっています」
「6月は結局休暇が取れずでした」「どれも期日が迫っていて、ずっと仕事に追われている感じです。残業してようやくギリギリ回せている気がします」
この春、希望する本庁の部署に配属されたのに、現実は過酷。
“ハテナ”だらけなのに、忙しそうな周りの先輩には聞きづらく、抱え込んでしまうジレンマがあると語る友人。
ヒトは疲労していても、やりがいや達成感によってマスキングされ、疲労感を感じないしくみだとききます。
“生命と仕事どっちが大事?”この答えに逆行している本庁の働き方を変えるには、慣れてしまった残業ありきの感覚を揺さぶる学習活動や、傾聴し困っている人に心を寄せる仲間の存在が大切だと思います。
(事務職)