いのち守る33キャンペーン署名提出行動
現場の声で政治は変えられる
京都府職労連、大阪府職労と一緒に取り組んでいる「いのち守る33キャンペーン」の大きな山場となった、11月2日の署名提出アクション。
自治体で働く当事者など24人が集まり、衆議院議員会館での院内集会を開催したあと、4万1998人分の署名を厚生労働副大臣と総務副大臣に提出しました。
市職労からは永戸有子中央執行委員長と保健師が参加しました。
現場の実態を涙ながらに訴え
院内集会は、総務委員及び厚生労働委員のすべての国会議員に案内を送り、6人の国会議員が参加しました。
大阪府職労の小松康則執行委員長からの挨拶のあと、現場職員から7人が代表してスピーチ。
時折声を詰まらせ涙しながら、働き方のリアルな状況が報告されました。そのうち3人の発言を紹介します。
「時間外労働は200時間を超える、桁外れの時間外労働で保健師はじめ職員は命の危機にさらされてきた。手が震えて低血糖に気づき、夜中にやっと食べ物を口にする保健師、昼食を食べると吐いてしまうので昼食抜きで仕事をする保健師、年末年始に子供がお母さん行かんといてという言葉を振り切って出勤する保健師、大きな波が来るたび、夜明けとともに退勤し、タクシーに乗って出勤する保健師も。死ぬか辞めるかと言った保健師は命を守るため退職した。自宅の玄関で倒れ、気がつけば数時間眠っていたと言っていた保健師も。保健師の使命感だけで働いているが、住民の命とともに公務労働者の命も大事」(京都市保健師)
「福知山市では度重なる災害が発生。自分のアパートが浸水しながら、被災者の救援に向かった消防士、親の家が被災しながらも被災した保育園の復旧に向かった保育士、2年連続浸水被害にあいながら自身のことを置いて災害復旧に従事した職員。自治体職員は住民が1日も早く日常の生活に戻ってもらえるよう懸命に働くが、その体制は職員の責任感と志に頼り過ぎている」(福知山市職員)
「入庁した時が第4波のまっただ中。保健所はすごい戦場で周りの先輩はみんな電話対応中。コール音がひっきりなしで、電話をとると『なんで出ないんや!』と怒鳴られたのが一番初めの電話対応だった。朝出勤して昼食べる時間もなく気がついたら終電なくなってタクシーで帰る、そういう日が続いた。一人暮らしで、周りに相談相手もなく、生きているのがしんどいなと思ってマンションのベランダに足をかけたこともあった」(大阪府保健師)
超党派で力合わせて
当事者のリレースピーチのあと、全労連黒澤幸一事務局長、自治労連高柳京子副委員長があいさつし、ゲストスピーチとして、元千葉県児童相談所職員で長時間労働がもとで病気となり現在千葉県を相手に裁判を起こしている飯島章太さんと、国公労連の大門晋平さんの2人がスピーチしました。
その後、参加していた国会議員から、「大変な現場からよく出て来てくれた。その声はかならず政治を動かしていく」(日本共産党倉林明子参議院議員)、「労基法33条によって『臨時』が3年間も続いている。こんなことが許されていいわけがない」(日本共産党宮本たけし衆議院議員)、「ロビイングで現場の声聞かせてもらい、超党派でとりくみ、政務官との懇談の場もつくってきた」(社民党福島みずほ参議院議員)「みなさんの声を聞き、自分が大阪府職員だった時に大変な現場を変えたいと議員になったが、今も変わっていない現場の実態に悔しい思い」(れいわ新選組大石あきこ衆議院議員)、「超党派でやっている活動でなんとか状況を変えられるようにと思っている。国会議員をぜひ使って下さい」(立憲民主党川田龍平参議院議員)と、あいさつがありました。
署名は、厚労省・総務省の副大臣へ
院内集会のあとはいよいよ署名を提出に、議員同行のもと、厚労省、総務省に向かいました。
人数制限があったため、参加者から12人の代表が二手に分かれ、それぞれ羽生田俊厚生労働副大臣、尾身朝子総務副大臣に署名を手渡しました。
それぞれ15分という限られた時間でしたが、参加者からは現場の実態や思いをしっかり伝えることができました。
署名提出を終えたあと、報告集会をひらき、厚労省総務省それぞれの様子を報告。
今回の署名提出行動は一つの区切りではあるが、同時に現状を変えるためのあらたなスタートである、引き続き声をあげていこうと確認し合いました。