保健師等人員増が実現 当事者の力で「変えられる」
京都市で保健師として働いて3年目でコロナ対応職場に異動をして、コロナ禍で「死ぬか辞めるか」という選択を迫られるほどの過酷な働き方のなか、自らの命を守るために退職を余儀なくされた仲間がいます。
令和3年度では最長1639時間、ひと月だけで298時間の時間外労働をした職員が発生しました。1000時間を超えて働いた保健所職員は25人で前年よりも増えています。
京都市職労、京都府職労連、大阪府職労で取り組んできた「いのち守る33キャンペーン」は過労死寸前の現状を「変えたい」という思いから、長時間労働により健康や生活を犠牲にしてきた当事者とともに、学習交流会や国会議員へのロビイングを経て、野党議員の協力のもとで当事者と厚生労働大臣政務官との懇談が実現。さらに野党議員による国会での追及。そして4万人の賛同を得た署名を総務副大臣、厚生労働副大臣に手渡すことができました。
慢性的な長時間労働がある京都市の本庁職場の組合員の仲間は、自らの命を削りながらも「公務員はとてもやりがいのある仕事。けれど人員が少なく目の前の仕事をすることで精いっぱいとなり、好きな仕事に苦しめられていることが辛かった。異常超勤からいい制度、いい施策が生まれるはずがありません」と語りました。
こうした当事者の声が運動をおし進めるなか、12月23日に総務省が明らかにした「令和5年度地方財政対策」のなかで①こども・子育て支援の強化(児童福祉司・児童心理司の増員など)、②保健所等の恒常的な人員体制強化(保健師・事務職員の増員)とする方針を明らかにしました。
当事者の力が国や職場を変える大きな力に変えられることに確信をもってさらに運動をすすめていきます。
総務省「令和5年度地方財政対策の概要(通常収支分)」からの抜粋
保健所等の恒常的な人員体制強化
●次の感染症危機に備えた感染症法等の改正等を踏まえ、保健所等の恒常的な人員体制強化を図るため、感染症対応業務に従事する保健師を約450名増員(④約2,700名→⑤約3,150名)するとともに、保健所及び地方衛生研究所の職員をそれぞれ約150名増員