【公務災害申請却下問題】仕事中にケガをしたのに公務災害にならない?!
Aさんの公務災害認定を求める署名にご協力を
働く中で、思わぬケガや病気になることは誰にでもありえることです。公務員が公務中や通勤中に発生したケガや病気のことを公務災害といい、災害が発生した場合も、生じた損害が補償される制度があることで安心して働けます。
公務中の転倒で大ケガを負い、公務災害申請をしたにもかかわらず、申請が却下されたAさん。公務災害認定を求める署名に取り組みます。
外勤中に転倒
定期訪問のため歩いて目的地に向かっていたところ、工事の関係で仮舗装されていた道路の凹凸につまずき転倒。
気づいたときには顔から血を流して倒れていました。
スーツと眼鏡は破損。近隣住民に見守られながら救急搬送され、顔を7針縫われました。
まさかの公務外認定
Aさんは所属を通じて公務災害の認定を請求。
業務中に転倒してケガをしたのだから当然に公務災害として認定されると思っていました。
ところが結果は公務災害として認めないというものでした。
理由は“路面に危険性はなかった”というもの。
高年齢ほどリスクが高まる
地方公務員災害補償基金京都市支部発行の「統計だより」によると年齢が上がるにつれて、公務災害の認定係数が増加しています〈図1〉。
定年引上げにより今後は高年齢職員の増加が見込まれます。60歳前と同じ仕事をして、外勤のある職場にも配属されます。
今回のAさんのような事例が“大した凹凸もないのにつまずいてケガをしたのだから公務外”だと認定されてしまうのであれば、安心して仕事をすることはできません。
誰にでも起こりうること/要請署名のちからで処分取り消しを
Aさんは処分を不服として審査請求を行っています。
この事例は、高年齢職員だけの問題ではありません。若手職員であっても急いでいたり、疲れがたまっていたりすれば少しの凹凸でつまずくこともあります。内勤ばかりの職場でも、転倒のリスクはひそんでいます。
多くの職員がこの認定はおかしいと思っていることを可視化して審査会に訴えるため要請署名に取り組んでいます。
業務中のケガや病気が保障され、誰もが安心して働くことのできる職場づくりの実現に向け、1人でも多くの職員の協力を呼びかけます。