お知らせ・ニュース

2023年10月23日

公務・民間すべての労働者の賃上げを

10月6日、最低賃金の改定日にあわせ、京都総評の呼びかけで市内数カ所で一斉に行う「改定最賃周知宣伝」を、京都市職労は烏丸御池の交差点で行いました。

「京都の最低賃金 時給1008円にアップ」と書かれた横断幕を読みながら通る人、配ったポケットティッシュに挟み込んだチラシを広げてみる人など、多くの人が関心を示していました。


京都府の引き上げ額は40円

京都地方最低賃金審議会が、8月10日に京都府の時間額を今までより40円増やす答申をしたことにより、10月6日から、京都府の最低賃金(地域別最低賃金)は時間額が1008円になりました。

全国の地域別引き上げ金額はA~Cまでランク分けされており、Aランクは41円、Bランクは40円、Cランクは39円で京都府はBランクに分類されます。

10月6日以降、京都府内の使用者は、この金額より低い金額で労働者を使用することはできません。

対象となる労働者には、パートタイマー、アルバイトなど非正規で雇用されている人も、もちろん含みます。最低賃金制度に違反していた場合には、使用者に差額分の支払いが義務付けられ、差額の支払いに応じなかった場合には罰金を課せられ、社会的な信用を失ってしまうこともあります。

今回の改定で、京都府の最低賃金は1000円をかろうじて超えました。しかし、この間の急激な物価高騰で暮らしが深刻な状況になっている現状を改善するには、40円の改善では到底足りません。

 

最低賃金は1500円以上に

毎年、京都総評が取り組む、8時間働けば“普通”に暮らせる賃金を目指す「最低賃金1500円以上への引き上げを求める署名」は、今年1万筆以上集まり、京都地方最低賃金審議会に提出されました。

この署名で1500円以上の引き上げを求める根拠となっているのは、京都総評が行った最低生計費試算調査の結果です。調査では20代の若者が京都市で一人暮らしをしながら「普通に暮らす」ためには、生活費として月額24万円以上、時間額1600円以上が必要であることが明らかになっています。

今回改定されたとはいえ、わずか40円の改定、時間額1008円では、月収は17万に届きません。

「自分たちは日々の生活で精一杯で、いまは結婚・出産する余裕がない」「(結婚・出産の)優先順位が低い」「子どもは贅沢品」これらは、2023年春にSNSで話題になったワードで、普通に暮らせない状況にある若者が多く、将来に不安を抱き発した言葉です。

 

会計年度任用職員の最低賃金に張り付いた現状を今すぐ改善

京都市で働く職員の会計年度任用職員Bの初任給基準が、京都府の最低賃金が上がったことを受け、10月1日から1級8号給から1級9号給に1号給引きあがりました。これにより時給額が1010円から1018円になります。

会計年度任用職員Bの処遇はこの間少しずつ改善してきています。

しかしそれは最低賃金の引き上げに対し、下回らないように対応しているに過ぎません。また、臨時的任用職員の事務については、近年引き上げがされていないため、会計年度任用職員Bとの賃金の差が縮まってきています。

10月4日に行った第1回確定交渉でも、会計年度任用職員と臨時的任用職員の処遇に触れ「会計年度任用職員Bは、年度途中で賃金改定が必要なほど、最低賃金に張り付いている。生活できる給与への改善が必要」「臨時的任用職員は、仕事は正規と同じで責任が重いにも関わらず賃金は低い。欠員代替で募集しても応募がないのは、そういった状況も影響している」と追及しました。

最低賃金の引き上げは、同じ職場で働く非正規職員の処遇だけでなく、人員の確保にも大きく影響を与える問題です。また、賃金が上がることで地域経済の好循環も生まれます。時給1500円の実現をめざし、公務・民間を含めたすべての労働者の賃上げは待ったなしの課題です。