2014年12月01日
【ザ・しょくば】11月21日付
「いつまで待たせるんだ」―対応していた職員に業者が大声を張り上げている。この職場は建設関係の許可申請を受け付ける窓口職場。法令の改正等により許認可業務が複雑になっているほか、企画立案などの従来の許認可業務以外の新たな業務も加わり、年を追うごとに複雑化する所属の業務。しかし、所属の職員数は従来のまま。結果、午前と午後は窓口に来訪される建設関係の業者の対応や、現場調査、完了検査などに追われ、受け付けた申請の審査は専ら残業時間中にしか行うことができず、連日の深夜残業をもっても審査期間が長引いてしまう状況になっている。しかし、言い訳はできない。冒頭の建設業者も必死だろう。審査期間が延びれば後の工事スケジュールに影響を及ぼしかねない。▼京都市人事委員会は先の勧告で、異常超勤が慢性化している実態を認め、「抜本的な対策が必要だ」と京都市に指摘した。京プランの実施計画に基づき人員削減を進めている京都市は、この指摘をどのように受け止めているのだろうか。▼残業を前提とした業務の進め方は職員の健康やワークライフバランスに影響を与えている。さらには建設業者の進行管理への影響、ひいてはこの事業に関わる市民に悪影響を与えている。人員削減によって何を生み出し、何を得ているというのか。職場の実態を無視した人員削減によって失われたものを直視する観察眼が、京都市に求められている。(颯吉)