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2016年01月05日

「京プラン後期実施計画(骨子)」に対する声明

 京都市は、11月23日に「はばたけ未来へ!京プラン(京都市基本計画)」の計画後半にあたる2016年度から2020年度までの「京プラン後期実施計画(骨子)」を発表した。1か月間の市民意見募集(パブリックコメント)や市会での議論等を踏まえて更に検討し、今年度内に策定するとしている。

 私たち市職労は、この間、「京プラン」実施計画が市民生活を破壊し、自治体を変質させる市政リストラのプランであることを3つの視点から指摘してきた。1つは、憲法が主権者は国民であると定め、地方自治法が自治体は住民の福祉と暮らしを守ることを責務とすると定めているにもかかわらず、「京プラン」実施計画は「経営の理念に基づく効率的な自治体運営」を最優先させるもので、憲法が定める主権在民、地方自治法が定める自治体の責務を大きく変質させるものだ。2つは、「税と社会保障の一体改革」の名による消費増税について、増税分の分け前を地方にもらうため8%、10%への増税を賛成するかわりに、自治体が単費で支出している社会福祉の経費を消費増税分で国が負担することを前提にしていることだ。3つは、「京プラン実施計画」が「持続可能な財政構造改革」を実現するため、社会保障費の大幅削減など市民生活を支える重要な分野でのサービス削減を進め、住民の福祉の向上を図る自治体の役割を大きく後退させるものだ。「後期実施計画(骨子)」はこうした公的責任放棄の中身を見直すものとは全くなっていない。

 現行の「京プラン」実施計画が「民間でできることは民間に」を押し進めた結果、社会福祉に関わる様々な分野で自治体としての公的責任の放棄が起きている。保育については、すでに4市営保育所が民営化され、さらに今後2019年度までに6保育所の民営化を明らかにしている。民間保育園では運営と雇用等を支えてきた「プール制」が改悪されて深刻な状態になっている。また、医療・障害者問題等については、多くの反対の声にもかかわらず、身体障害者リハビリテーショセンター附属病院を廃止したばかりか、新たにリハセン、こころの健康増進センター、児童福祉センターの3施設の合築化が利用者等の声を十分聞かれることなく進められようとしている。また、高齢者福祉では、敬老乗車証制度の改悪等のサービス切り捨てが引き続き検討されている。「後期実施計画(骨子)」が、現行の前期計画で捻出している以上の財源確保のため、社会保障関連経費を含む全ての予算について改革を徹底するとしていることは、さらなる公的責任の後退と住民サービスの切り捨ての自治体リストラ・「行革」を進めるものに他ならない。

 京都市は、「後期実施計画(骨子)」の策定にあたり、京都版の地方創生指針である「京都創生」総合戦略の方向性を全面的に盛り込むとしている。都市の成長戦略と持続可能な行財政の確立に関わって、「民間活力を徹底的に活かすための環境整備」として「産業用地や商業用地等への多様な民間投資を促進するための柔軟な都市計画手法の活用や市有地・民有地の産業用地としての積極的な活用に向けた検討」を打ち出し、とりわけ企業のために市有地を全面活用する方向を露骨に打ち出している。また、「保有資産の更なる有効活用の推進」として「学校跡地をはじめ施設の統廃合等に伴い役割を終えた土地等の貸し付けや売却など、保有資産の有効活用を推進」するとして、市民の共有財産である市有地を企業に差し出し、「大企業が活動しやすい京都づくり」を進めようとしている。こうした市民生活の向上とはかけ離れた大企業優先の態度は、京都のまち壊しにつながるものであり、許されない。

 また、「後期実施計画(骨子)」は、私たち職員の配置数について、新たな部門別定数管理計画の策定による人員削減や、「民間にできることは民間に」を基本にした委託化・民営化の推進などにより、計画的に総人件費を削減するとしている。現市長2期8年間で2965人の職員削減が行われた結果、職場は大変疲弊している。どの職場もギリギリの状態で業務の執行体制を維持しているのが実態であり、メンタルヘルス不全の問題も深刻だ。本庁職場はとりわけ異常超勤が蔓延している状況の中でも増員もなく、これ以上の人員削減は許すことができない。行政サービスの充実と職員が安心して働き続けることのできる職場環境の整備のためにも適正な人員配置が不可欠だ。

 私たち市職労は、「京プラン」実施計画が進める公的責任を放棄する民営化・民間委託化や人員削減計画をやめさせ、あらためて市民の暮らし破壊を全力で阻止しなければならない。憲法と地方自治の精神が活きる市政を実現するためにも、来年2月の京都市長選挙勝利をめざして闘うことが必要だ。市民のいのちと暮らしを守る民主市政を実現するため、また、職員が働きがいをもって安心して仕事ができる市政実現を実現するため、全力で奮闘する。

2015年12月22日
京都市職員労働組合中央執行委員会