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2016年09月13日

慎重さ欠く「子ども若者はぐくみ局」(仮称)

慎重さ欠く「子ども若者はぐくみ局」(仮称)

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 門川市長がトップダウン的にすすめようとしている「子ども若者はぐくみ局」(仮称)の創設について、現場からは様々な不安が強まっています。問題になっているのは、「2017年4月の創設を目指す」として、あまりにも性急で慎重さを欠いていることです。そして、子どもを取り巻く社会情勢に見合った公的サービスの提供とそのための執行体制が確保されるのか、懸念は増しています。

社会的要請強まるなかで

 子どもの貧困や保育所待機児童など、子どもを取り巻く情勢は深刻であり、課題は山積しています。子どもは社会で育てるものであり、社会的施策は待ったなしの状態です。今回の京都市の「子ども若者はぐくみ局」(仮称)の創設は、「子どもの成長段階に応じた切れ目のないきめ細やかな取り組みをより効果的かつ強力に推進するため、行政としてこれまで各局などが連携を図りながら実施してきた子どもや青少年に係る施策を融合し、総合的に担う」ものとして検討されています。

急すぎる市民の要求に応えられるのか

 しかし懸念されるのは、来年の2017年4月に組織改正とされ、現行の区・支所福祉部と保健部を6つの部署に再編し、来年のゴールデンウィーク中にレイアウト変更。業務体制は、「集約化や効率化を図り、人員は±0を目指す」としています。「市民のニーズに沿った執行体制のあり方などを熟議する必要があるのに、あまりにも急すぎる」という現場の職員の声が吹き荒れています。

 

職場も市民も大混乱!?
民生支部

 民生支部では、新局創設にかかる検討案が示されて以降、職場で意見集約をすすめてきました。
 「子ども若者はぐくみ局」(仮称)創設の理念については理解できる部分もありますが、本庁課も区・支所も大規模な組織再編でありながら、「組織改正の時期は来年4月」と決められ、また「人員は新規事業以外は±0人をめざす」とされていることで、「これで市民に喜ばれる組織再編になるのか」、「このままでは職場も市民も余計に混乱するのではないか」と危惧が広がっています。
 検討案は、福祉事務所を①子ども②障害③高齢・介護・地域支援④生活保護―の4つの担当に再編し、①~③については、保健センターでの関係業務を含めた課(あるいは室)をつくるというものです。
 組織再編後の体制はどうなるのか、現況届など繁忙期の協力体制をどうするのか、保育所の一斉入所面接の体制は確保できるのか、大規模なレイアウト変更のための予算が確保できるのか、GW明けにレイアウト変更というスケジュールで実施できるのか、保健センターと離れている西京はどうするのか―課題は山積みです。支部では、寄せられた意見をもとに要求書などを提出するととともに、福祉分会と保健センター組合員の交流も呼びかけています。

 

説明不十分!納得できない
衛生支部

●保健センター健康づくり推進課・栄養士
 栄養士部会では拡大執行委員会で説明内容を持ち返り、保健センター栄養士部会を開催し、意見書を提出し、後日、労務と協議した。行政栄養士業務は、厚生労働省通知の指針に基づいて行っており、今回当局が示された窓口業務と直結する事業ばかりではない。
 栄養士の配属はどうなるのか?兼職の場合、法的根拠のある既存の事業をどう受け持つのか?市民への栄養・食生活相談が常時提供できるのか?また今年度策定の「健康長寿のまち・京都食育推進プラン」の推進はできるのか等、引き続き協議が必要である。
●保健センター健康づくり推進課・保健師
 当局は「人員増減なし」は兼務になるため実質「減」であることが理解できていない。
 兼務により、市民に責任を持った業務ができないし、人員が少なくなると個別の対応を間違えないように終始し、専門職として地域全体の健康問題を考え、既存の組織と連携した取組みをリードできないのではないかと懸念している。説明には納得できない。
 保健師活動は管理係の仕事が支えになっている。地域役員の窓口で、職場全体を統括する管理係を保証する事により、子育ての強化された取組となるか、窓口対応のみの子育て支援になるか左右されると考える。
 説明全体に、「住民の健康を守るための公衆衛生業務そのものが軽視されている」と感じた。
●保健センター衛生課・薬剤師
 新設局の余波を受け、衛生課の統合案が浮上。市内に保健センターを1カ所設け、区役所・支所に数人の職員、課長級を置かないという無責任な体制を提示された。今まで区民の食の安全・安心を守る様々な業務を区民と共に進めてきた。民泊も業者の申請にしっかり向き合い、地域住民からの苦情も誠実に対応してきた。区役所衛生課にマンパワーと区民との信頼関係があってこそ成しえた業務を反故する今回の統合案に反対である。