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2017年02月14日

崇仁保育所の民営化の方針に対する民生支部抗議声明

崇仁保育所の民営化の方針に対する民生支部抗議声明

1月23日、経済総務委員会で行財政局より京都市立芸術大学移転整備基本計画(案)の説明がされた。京都市立芸術大学(以下、京都芸大)について現在の洛西から京都駅の東部に位置する崇仁地域への移転整備を進める計画だが、その計画案の中で市営の京都市崇仁保育所を、現在の場所より北に700m離れた元六条院小学校の一部に移転し、再整備と運営は民間で行う計画であることが明らかになった。
同日、同保育所で保護者達へも保育課による説明会が開催され、保育所移転と新施設の整備・運営は民間法人等が行う方針であること、29年度に移管先の選定を行い、30年度に施設整備を行い、31年4月から民間法人により新園舎で保育する計画であることが説明されたが、突然の民営化の説明に保護者達は驚き説明会は紛糾した。移転整備の理由の中で施設の老朽化や耐震補強の課題があるとしたことも、大切な子どもの命に関わる問題を放置していると保護者の怒りを買った。

京都芸大の移転は2014年1月に市長の年頭所感で決定が発表され、その時は崇仁保育所は大学施設との併設も検討されていた。2015年3月に発表された京都芸大移転整備基本構想では、崇仁保育所は立地場所や整備手法等を含め再整備を検討するとされたが、民間への移管の話は無かった。しかし、今回の計画案では、新園舎整備については、国の保育所等整備交付金を活用し、公募により整備・運営を行う民間事業者を選定するとしている。

市営保育所については、市内の保育所の9割以上が民間保育園で占められる中で、そのあり方が問われ、「京都市社会福祉審議会 福祉施策のあり方検討専門分科会」での市営保育所の今後の配置のあり方とその実現のプロセスについての審議を経て、2012年5月に「市営保育所の今後のあり方に関する基本方針」が策定された。そこでは、市営保育所が比較的集積している地域おいて一部の市営保育所について民間への移管に取り組む、特に6年間を見通した保育の実践が困難な単独乳児保育所3箇所と市営保育所が最も集積している南区の一部の市営保育所について民間への移管を進めることとされ、この方針で4箇所の保育所が民間に移管された。この方針の射程距離は2012年度から5年間とし、2017年度以降については5年間の検証を含めて改めて見直すとされた。
ところが、当局は5年間の検証を待たずに2014年8月に「市営保育所の今後のあり方に関する基本方針」(改定版)を発表し、更に6箇所の市営保育所の民間への移管の方針を打ち出した。市営保育所は民間保育園に比べ運営費が高いとして、市営と民間の役割分担を見直し民間に移管するとしているが、2年以上も前倒しして保護者の反対の声も聴かずに計画を変更し、更に民営化を進める強引なやり方に民生支部は強く抗議し、保護者、市民団体も現在まで反対の運動を展開している。しかし、一方で「基本方針」(改定版)では民間移管については全市的なバランスを考えるとしており、広域的な役割を担い得る市営保育所については、行政直営の地域の子育て支援拠点施設として更なる機能強化を図るとしていた。

ところが、今回の崇仁保育所の民間による再整備と運営は、これまでの方針には無かったものであり、「基本方針」(改定版)による6箇所の市営保育所の民間移管がまだ進行している中、あまりにも唐突である。崇仁保育所の民営化は下京区から市営保育所が無くなることになり、それは下京区での行政としての地域の子育て支援が後退することを意味する。「基本方針」(改定版)での全市的なバランスや行政直営の地域の子育て支援拠点施設として更なる機能強化との整合性が全く取れない。これでは、これまでの方針を投げ捨てたと言わざるを得ない。
市営保育所は2011年4月時点で26箇所(休所中除く)在ったが、現在は21箇所となった。「基本方針」(改定版)により更に今年から6箇所の民間移管が進められようとする中、崇仁保育所の民営化は国の保育所等整備交付金の活用という全く違う理由で行おうとしている。これを認めれば、園舎が老朽化した保育所を建て替える時は今後は民設民営ということになりかねない。子どもの貧困や家庭の問題が複雑化する中、地域の子育て支援拠点として直営保育所を各区に置くことが求められている。老朽化や耐震性の問題が有るなら、本来は市の責任で整備するべきである。

我々は改めて当局に市営保育所についてのあり方について方針を問わなければならない。保育士の障害児加配についても民間保育園と配置基準を合わせたが、その後の民間保育園での障害児の受入れ状況についての検証も必要である。
民生支部は崇仁保育所の民営化の方針に強く抗議し、行政直営の地域の子育て支援拠点施設としての存続を強く求めて、地域の関係団体や市民、保護者達と共同し運動を進めて行く。

京都市職員労働組合民生支部