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2018年09月13日

18京都市人事委員会勧告に対する声明

18京都市人事委員会勧告に対する声明

京都市人事委員会は、本日(9月12日)、職員の給与に関する報告及び勧告を行いました。勧告の主な内容は、①本市職員の給与が民間給与を40円(0.01%)下回っているが、給与較差が極めて小さいことから給料表を改定しないこと、②一時金については、民間4.45月と本市職員4.40月との較差を解消するために0.05月引き上げる(勤勉手当に配分)というものです。

月例給については、国では5年連続引上げとなっているなか、昨年・一昨年に続き今年も月例給の改定なしという内容は到底容認できるものではありません。職員の生活実態を見ようともせず、民間に準拠していれば間接的に生計費も考慮されているという消極的な認識しか示さない姿勢は、労働基本権制約の代償機関としての役割を放棄するものです。

また、春闘の成果を公務員賃金につなげ、さらに翌年の賃上げへとつなげる「賃上げサイクル」で経済活性化を求める民間・公務の労働者の期待を裏切り、経済の好循環にブレーキをかける不当きわまりないものです。

「給与制度の総合的見直し」の現給保障については、予定通り今年度末で終了されれば少なくない職員が来年4月に賃金引下げという事態になるにもかかわらず、何らその救済措置には言及していません。3年前に人事委員会は「給与制度の総合的見直し」の実施と激変緩和の経過措置を講じることを勧告しましたが、この3年間一度も給料表の引上げがなければ激変も緩和されずに残ったままです。こうした事態を招きながら、その責任を取らない人事委員会に対して強く抗議するものです。

一時金については5年連続の引上げ勧告となりましたが、増額分を全て勤勉手当に配分するよう勧告したことは、成績主義賃金の強化につながるものであり見過ごすことはできません。一時金は生活給として職員にとって必要不可欠であり、より安定した収入として期末手当に配分すべきです。

宿日直手当については、人事院勧告も踏まえて引上げ勧告が出されました。具体的な引上げ額には言及していませんが、宿日直手当の額については、法令で下限基準が定められており、京都市においても、その基準を満たす額以上に引き上げさせる必要があります。

人事評価制度については、「地方公務員法の趣旨がより徹底されるよう、適宜見直しを行っていくことが必要である」と述べています。現在、総務省から人事評価結果のプラス反映を行うよう強く指導されており、そうした趣旨からの見直しにつながりかねない言及であり容認できません。人事評価制度の目的である「職員の育成と組織の活性化」に反するもので、職員同士で給料を奪い合う制度は絶対に導入させてはなりません。

定年延長など高齢層職員の能力及び経験の活用については、人事院が定年延長に関する意見を出したことに触れ、「高齢層職員が長年にわたり培ってきた知識、能力及び経験を活用していくことができるような任用の在り方について、検討を行っていく必要がある」と述べるにとどまっています。

人事院の意見は、定年を段階的に65歳に引き上げるとしながら、60歳以降の給与水準は60歳前の7割に抑制するなど、全く道理のない内容を含むものです。京都市では、これに追随することなく、安心して生活が維持でき、働く意欲の持てる賃金・労働条件が確保されるような検討を進めるよう追求していく必要があります。

また、今年も再任用制度の処遇改善について具体的な言及がありませんでした。定年延長の課題と併せて、再任用職員の賃金改善や職員の希望による多様な働き方の保障など、制度改善要求を強く掲げていく必要があります。

非正規職員の処遇等については、これまで同様、「市政の重要な担い手として、任用・勤務形態の異なる職員が相当数存在している」とし、「任命権者は、引き続き、これらの職員を含めた全職員が意欲を持って働くことができるよう努める」として、均等待遇の課題について認識を示しています。

また、法改正に伴う会計年度任用職員制度の創設について、「法の趣旨を踏まえ、現行の制度を見直す必要がある」とし、同制度が「平成32年4月から適切に運用されるよう、当該制度への円滑な移行を行うことが肝要である」としています。「法の趣旨」とは臨時・非常勤職員の処遇を改善することであり、「円滑な移行」のためには安定した雇用と賃金・労働条件の維持・改善が大前提です。今後、多くの非正規職員が特別職から一般職へと移行することが想定されることからも、人事委員会として非正規職員の声を今まで以上に受け止め、処遇改善の要求に責任をもって応えていくべきです。

長時間労働の是正については、今年6月に成立した改正労基法において時間外労働の上限規制が設けられたことに触れ、「本市職員のうち、官公署の事業以外の事業に従事する職員等」については来年4月から「法の確実な遵守が求められる」としています。また、「官公署の事業に従事する職員」については、人事院が国家公務員の超勤上限を規則化したことを踏まえ、「本市の実情に則した適切な方策を検討していくことが必要である」としています。人事院の規則は、超勤の上限を改正労基法と同様に原則月45時間・年360時間としながらも、「他律的業務の比重の高い部署」は月100時間として過労死水準の超勤を容認し、「大規模災害への対応等真にやむを得ない場合」は青天井の超勤を認めるなど、到底実効ある内容ではありません。京都市では、職員の命と健康がしっかり守られる規制や実効ある措置を求めていかなければなりません。

また、年次有給休暇について、改正労基法において民間企業に対して5日以上取得させることが義務化されたことを踏まえ、「本市職員が少なくとも5日の年次休暇を確実に使用することができるよう努めるべきである」としています。今後はこれを努力義務に留めさせず、全ての職員が5日以上取得できるよう職場で徹底させていくことが必要です。

報告では、長時間労働是正に向けて一層進めるべき取組として、業務の合理化とともに「業務量に応じた適切な人員配置を行う」ことに言及しています。市職労が、きわめて深刻な長時間労働の実態を明らかにし、その根本原因である人員問題に大きく踏み込んだ勧告を行うよう求めてきたことが一定反映したものと言えます。今後は、この報告にも依拠しながら、職場の強い要求である人員増の実現に向けて当局を追及していくことが重要です。

労働時間の適正な把握については、PCのログ履歴を確認するシステムの導入などがされていることに触れつつ、PCを使用しない職場などにおいても「労働時間を適正に把握することは当然」とし、厚生労働省の「ガイドラインの趣旨を踏まえた客観性及び信頼性の高い措置を講じるよう検討していくことが必要である」としています。今後は、全ての職場で取組が実施されることとともに、不払い残業をなくすという趣旨を所属長及び職員が正しく理解して運用されることを追求していかなければなりません。

人事委員会は、今年度から事業場調査を実施していますが、今後も人事委員会が労働基準監督機関としての役割を十分に発揮するよう求めていく必要があります。

京都市職労は、自分たちの掲げる要求が市民の暮らしを支える自治体労働者の役割を発揮するために必要であるという確信を持ち、職場の組合員に留まらず、公務関連・民間労働組合とも共闘して運動を進め、これから始まる秋季年末闘争に向けて、全ての職員が時間内に仕事を終え、安心して生活できる賃金・労働条件を勝ち取るために全力を挙げます。

2018年9月12日
京都市職員労働組合中央執行委員会