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2014年02月10日

2014春闘討論会集会[記念講演] 神戸大学名誉教授 二宮厚美さん

安倍政権にレッドカードを
2014国民春闘と自治体労働組合の役割

 2014春闘討論会集会での二宮厚美さんの記念講演を紹介します。

春闘情勢の変化掴もう

ninomiya_sensei 春闘情勢が一年間で一変している。

 特質は、①国民春闘の最大課題である賃上げ。労働組合側が賃上げに有利な情勢を掴むこと。デフレ不況の克服がどの程度進展するか、賃上げがカギを握っていると財界も認めざるを得ない状況で、労働者側が胸をはり、「賃上げこそが日本経済、国民生活の大義である」と要求を掲げなければならない。ただし公務員は例外とされるため、公務労働者が、雇用・予算・賃金削減を是正していくと同時に、民間労働者と共に、労働者全体の賃上げの要求が重要だ。②安倍政権との対決。特定秘密保護法の強行採決を基点に安倍政権の暴走に対する国民の包囲網がつくられている。普天間基地移転での沖縄県民の総意。脱原発、TPP、消費税、社会保障など、世論は安倍政権を包囲に動いている。③一点共闘が同時に多発する展開だ。関西では、反維新で結束する状況が生み出されている。大局的な見地で追い風に変わる情勢の変化をしっかり見つめながら春闘をすすめていく。

3つの着眼点で運動すすめる

 どういう着眼点をもって情勢を見て、運動をすすめるか。安倍政権の特徴的な3つの路線は、二つの解釈改憲とアベノミクスの第三の矢だ。

 一つ目は、憲法9条の解釈改憲。集団的自衛権は、米国が戦争体制に入ったら、自衛隊は、その体制のために、武器をそろえ突撃部隊もつくっておかなければならない。軍事予算を見ても明らかだ。特定秘密保護法は軍事法廷の準備ともいえる。軍国主義体制が築き上げられていく。改憲勢力は二つのグループがある。日本の財界主流のグローバル安全保障国家の考え方。もう一つの改憲勢力は日本の伝統的右翼的国家主義、靖国史観派だ。96条改正など、国民常識に反する考え方だ。

 二つ目は、25条の解釈改憲。社会保障が憲法25条に基づくものではなくなってくる。憲法と切り離した社会保障。変わりにお互いの助け合い、共助が社会保障とする。消費税増税と社会保障とは何か。国民が健康で文化的な最低限度の生活が保障される…税金で侵害してはならないという税制上の原則がある。消費税は無差別に税金をかける。最低生活を侵害するような消費税で最低生活を保障するということであり、矛盾する。だから社会保障が最低生活を守る仕組みから外す。

 三つ目は、アベノミクス第三の矢の「成長戦略」だ。日本を「世界で一番企業が活動しやすい国にする」と安倍首相。これは企業天国宣言で労働者には地獄。労働者派遣法改正、特区構想など公務も他人事ではない。

経済を立て直すには賃上げしかない

 アベノミクスは4月以降に反動がくる。日本経済は、公共事業、バブル便乗型消費、円安でのびた輸出で支えられてきた。それが公共事業の種がきれ、増税で消費が落ち、日本経済は大変な状況に落ち込む。首相が賃上げを認めざるを得ない有利な状況のなか、安倍政権にレッドカードを掲げながら、春闘をがんばろう。