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2021年09月17日

新型コロナ大規模応援に対する申入書提出―無策の応援?!上層部の職務怠慢!―

新型コロナ大規模応援に対する申入書提出―無策の応援?!上層部の職務怠慢!―

京都市職労は、新型コロナ感染症に対応する職員の働き方や職場の実態、生活や実情を聞き取り、業務や職場環境の具体的な改善を求めて当局に迫ってきました。

8月24日には副市長の依命通達が出され、これを受けて、職場では、一人ひとりの抱えている業務や職員の不安をよそに緊急的な応援体制がしかれ、混乱が生じました。

9月2日、市職労は人事当局に対して、新型コロナ感染症への大規模な職員応援に対する申入書を提出。依命通達にあるよう「応援は業務の停止・縮小が前提だ」と厳しく追及しました。


緊急申し入れ 9月2日
人員削減、公衆衛生弱体化で矛盾あらわ

8月24日に出された副市長の依命通達には、「感染症対応を最優先業務と位置付けて、各局区から最大限の職員応援をもってこれに当たること。市民に重大な影響のある業務を除き、各局区長の判断で業務の一時的な縮小、停止、業務分担の変更等を検討し、実施すること」を求めています。

前提として応援は、市民生活に影響のない業務の縮小、停止が必要です。しかし大半の職場で業務の縮小、停止の指示はなく「所属から○○人」と一律に依頼が下ろされています。

職員は、自らの業務を抱えたまま応援に駆り出されているのが実際です。なかには、新採職員を中心に応援を出す職場もあり、半強制的に駆り出される職員もいます。

また、職員の応援に限界があるなかで、臨時的任用職員を多数応援に出す職場も。非正規雇用職員にとっては、雇用の不安があるなかで断れない状況が起こります。

市長が強行してきた人員削減で職場に余力がないなかでの応援。保健所機能を弱体化させてきた失政を職員個人に責任を転嫁させることは許されません。

市職労の追及のなかで当局は「一日平均で一所属当たり一人が出ているかどうか、という規模感であるため、業務の停止まではしていない所属もあると考えている」と強弁。

「一人ぐらいなら応援を出せるという認識では、今回の応援依頼は認められない。業務の縮小、停止、業務分担の変更など何もしないのであれば、局長級の職務怠慢だ」と当局の認識を正しました。

京都市職労は「保健師の大幅増員とあわせて、区役所で地域に根差して健康観察や疫学調査などの業務を行えるような保健所機能の再建」を追及してきました。

しかし、当局は「集約化の成果」に固執して、自らの方針を覆せず、保健所の再建に目を伏せています。感染者の急増が繰り返されるなかで、抜本的な公衆衛生業務の見直しが必要です。

業務都合の遅出勤務を強制するな

業務都合の早出遅出勤務は職員の負担軽減の観点が前提です。市職労は本人希望で利用できるはずが遅出勤務を強制される実態があると指摘。

当局は「制度は本人の申請に基づくもの(強制ではない)。一方で、所属においては職員の負担軽減や健康確保の観点から利用できるよう業務分担の工夫等を実施していただきたい」と回答。

制度が本人希望であることを確認しました。

 

応援に入っている職員の声
コロナ対応職場応援体制のなかで

新型コロナ対応職場への大規模応援のなかで、応援に入る保健師から状況を聞きました。

大規模応援により4~5日遅れで疫学調査をしていた発生届は、届出を受理した当日に陽性者に連絡ができるようになり、2~3日遅れだった療養解除の電話も、解除当日に電話ができるようになりました。「市民にとって良かった」面も。

しかし、健康観察担当からは「発生届はさばけているのに、症状が重めで連絡する必要がある対象者があがってこない」「他業務との連携が図れず理由がわからない」とも言われています。

無症状・軽症者の疫学調査や、療養解除の判断を応援に入る事務職員が担うため連携が取れないという問題も。

背景に、業務が細分化され、執務室も朝日ビル、分庁舎、御池創生館など複数に分けられたために、「どこで誰が何をしているのかわからない」状態があります。

固定電話は各チームに3回線ずつしかないために、応援職員は携帯電話で市民に応対します。携帯電話は始業時に借りて終業時に返却をします。

以前に対応した市民から電話がかかってくることがよくありますが、翌日は違う携帯電話を借りることとなり、応援職員にとっては経過がわからないために対応できません。

応援保健師は「せめて、区単位で携帯電話を割り振ってもらえたら引継ぎもできて、以前に対応した経過や様子も前任者に聞けるのに」と述べ、「携帯電話が変わることで、相談者に『何かあれば連絡ください』と言えないのが申し訳ない」と語りました。

単発の応援では、全体の流れが把握できないために、疫学調査の際の対応に限界もあります。マニュアルは日々変わるなかで、応援職員へのフォローもあり改訂が追い付かない状況も。

「保健所を1カ所に集約した結果、体制崩壊したことは明らか。なんとか形だけでも取り繕おうとしているように見える」

実感を込めました。

 

多方面から新型コロナ対応職員へエール
保健所からの連絡はいのちの電話

京都市職労は、新型コロナ対応職場の実情にあわせて、保健師の増員、区役所に保健所機能を取り戻すことを集会やSNSなどで訴えています。

そのなかで職員への激励が寄せられています。

Twitterのダイレクトメッセージには、家族が罹患した市民から。

「保健所の職員さんはとても丁寧な対応で、緊張と不安が和らいだ。自宅待機中の感染者にとって、保健所の連絡はまさに命の電話。皆様にはがんばっていただきたいですが、お体ご自愛くださいと伝えたいです」

京建労京都中央支部では執行委員会で議論。保健所の実態を知り「自分たちにできることで支援をしたい」と激励がありました。