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2022年03月11日

【委員長談話】局長収賄容疑事件について―真相究明を

【委員長談話】
市民からの信頼を回復するために、職員が自治体労働者として誇りをもって働くために、局長収賄容疑事件の真相究明を!!

2022年3月11日
京都市職員労働組合
中央執行委員長 永戸 有子

2月8日、子ども若者はぐくみ局長の久保敦氏が受託収賄容疑で逮捕された事件は、職員に大きな衝撃を与えました。報道によると逮捕容疑は、左京区の民間保育園の園長から、監査で便宜を図るよう依頼を受け、高級腕時計を受け取ったというものです。

事件はその後、京都地検が3月1日単純収賄罪に変更して起訴、また同日京都府警により純金小判を受け取った疑い(収賄容疑)で再逮捕されるに至っています。

現職局長が逮捕されるという前代未聞のこの事件は、京都市に対する市民の信頼を大きく失わせるものになりました。

 

憲法第15条第2項で、「すべて公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と規定されているように、私たち自治体で働く者は、住民全体の福祉の増進のために、それぞれの職務を担っています。だからこそ、京都市職労は職員の労働条件の向上と住民のためにいい仕事がしたいという要求を結び合わせ、その実現をめざしています。

今回の逮捕及び起訴容疑が事実であるなら、収賄が許されないことはいうまでもなく、特定の団体や個人との癒着等によって「一部の奉仕者」となることは重大な憲法違反であり、「いい仕事がしたい」という職員の願いに逆行するものです。

 

市民からの信頼を回復するために、また職員が自治体労働者として誇りをもって働けるようにするためにも、事件について全容を解明することが不可欠です。そして個人の倫理観の問題だけでなく、組織構造上の問題がなかったかについて踏み込んで検証し、真相を究明すべきです。

京都市は、2月15日に市の幹部職員で構成される「子ども若者はぐくみ局長収賄容疑事件調査委員会」を立ち上げました。今後は学識者や弁護士にも加わってもらうことを検討しているとしていますが、京都市の幹部職員が主体となった調査、検証では、市民の信頼回復はできません。

神奈川県小田原市では、2017年に生活保護担当職員の「不適切ジャンパー着用事件」が発覚した際に、外部の有識者を委員長とし、生活保護利用者の権利擁護にとりくんできた弁護士や元利用者をはじめ外部の委員を中心とした検討委員会を設置し、市の覚悟を示すものとして高く評価されました。そして問題の背景を分析した検証の結果により、生活保護行政の改善とそれを担保するものとしてケースワーカーの増員や社会福祉士の採用が図られました。

今回は局長の逮捕事案であり、より行政組織から独立した機関での調査・検討が必要です。第三者機関を設置して、今回の事件の全容と真相を明らかにすることを強く求めます。