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2023年04月06日

【2023春闘働くみんなの要求アンケート結果】短時間の時間外勤務と仕事の“密度”に注目!

 

昨年12月に実施した「2023春闘働くみんなの要求アンケート」は、みなさんのくらしや労働の実態、賃金や労働条件に対する願い・要求を明らかにしています。

今回は、アンケート結果のなかで、働き方に関するものを見ていきます。


時間外勤務の状況です。

京都市が働き方改革推進本部会議で明らかにした内容は、2022年度(令和4年度、2月末時点)は、2019年度(令和元年)比で31・1%の縮減に至っている一方、年720時間超の特例業務は解消されておらず、特定の所属に集中して発生しているというものでしたが、これはみんなの要求アンケートでも同様の傾向がみられました。

 

短時間の残業に「不払いあり」の傾向 ~期待されるログシステムの改善

不払い残業の有無について、2019年度は「ある」が42%であったのに対し、2022年度は19・7%と減少しています。

パソコンのログ記録やタイムカードを活用した労働時間管理が進んだ結果と言えます。

ただし、留意すべきは不払い残業がある理由として、「短時間の残業だから申請しづらい」に32・4%、「申請しづらい雰囲気がある」に18・0%の回答が集まったことです。

時間外の勤務時間が短くなる一方でこの状況を見過ごせば、不払い残業をなくすことはできません。

たとえ短時間であっても、残業していたのかどうかの事実確認を行うなど、申請しやすい雰囲気づくりが求められています。

なお、3月23日の春闘要求書提出交渉では、労働時間管理における課題の一つであった所属長の負担軽減について、当局から「より円滑な勤務時間管理を図る観点から、ログ確認システムと庶務事務システムを連携させるシステム改修を、令和5年度中に実施する予定」との回答があり、改善が期待されます。

 

じわりと負担が蓄積する過密労働 ~国際比較で最低の公務員数の陰で

もう一つ見過ごせないのは、過密労働です。

普段の仕事で心身に疲労を感じているかの質問に対し、「毎日非常に疲れる」または「たまに非常に疲れる」に約5割の方が回答しています。

2019年度は6割を超えていたので減少はしています。

しかし、時間外勤務が0~10時間未満の人でも、4~5割の方が「毎日非常に疲れる」又は「たまに非常に疲れる」と回答しています。

また、今回新たに仕事の繁忙期の働き方を質問したところ、「丁寧に仕事をする余裕がない」37・4%、「寝ても翌日に疲れが残る」35・6%「仕事に集中する・緊張し続ける時間が長い」29・6%と、心身に大変な負荷がかかっている状況が浮かびあがってきました。

「人員増」は私たちの強い要求の一つです。もちろん、労働時間管理の徹底、職員の健康確保への取り組みの徹底、BPR、DX推進等による業務の効率化などは必要です。

しかし、業務量の削減が見込めるからと人員を減らし、一方で時間外勤務の縮減を職場に求めていては労働強化につながります。

日本の公務員数は他国と比較すると圧倒的に少なく、総雇用者数に占める公務員数の割合はOECD加盟国中最低の5・9%で、平均の17・8%と比べても極端に少ない状態です。

過密労働の中で丁寧に仕事をする余裕がなくなれば、公務の質の低下にもつながります。

働き方の実態を明らかにしつつ、必要な人員を確保するといった当たり前の自治体への転換を求めていきましょう。