【職場のメンタルヘルス対策】新しい仲間とともにいきいきと働ける職場に
新年度を迎え、新たな環境で仕事をしていくことは、希望や期待と同時に、知らず知らずのうちに、不安や緊張、ストレスも蓄積されるものです。
心の健康のケアやサポートに京都市職労に相談してください。
NPO法人メンタルサポート京都 鍜治貝 照美(公認心理師)
職場のストレス
新規採用職員のみなさん、異動された人や新しく役職に就かれた人など、環境や生活の変化によって不安や緊張・ストレスを感じていませんか。
職場でのストレスの原因としては、業務の量や質、長時間労働、交代勤務、人間関係などがあげられます。
対人支援の職場では、市民や利用者、他の機関・専門職などとの対人ストレスもあります。相手に喜ばれたり、ねぎらいや感謝の言葉などを受けることがあれば、達成感や充実感を得ることができ、モチベーションの向上や成長の原動力となることがあります。
その反面、苦情やクレーム対応などでは、「我慢」(怒り、悔しさ、辛さ、悲しさなどを抑制・管理)する場面もあるため、「情緒的(心の)エネルギー」を大量に消費し、バーンアウトや精神的疲労をもたらすことがあります。
ストレスをためすぎると心や体の調子をくずしてしまうことがあるため、ストレスとうまく付き合っていくためには、自分でできる対処法『セルフケア』が大事です。
セルフケア
セルフケアのポイントを紹介します。
一.自分自身の心身の状態に『気づく』こと。身体面(眠れない、食欲がない、肩こり、胃痛など)はどうか、心理面(不安、イライラ、抑うつなど)はどうか、行動面(ミス、遅刻、暴言、暴飲暴食など)はどうか、自分自身をみつめてみましょう。ストレスチェックによって気づくこともできます。
二.『ストレス対処法』を身につけること。休養や睡眠によって疲れを回復する、緊張を解きほぐす(呼吸法・ストレッチ・漸進的筋弛緩法など)、運動や趣味などで気分転換するなどを日常の生活にとりいれましょう。
三.『相談』すること。誰かに「話す」ことで、感情を解き「放す」、自分から「離す」ことにより、客観的に考えられたり、解決策を見つけられることもあります。一人で抱え込まないことが大事です。
四.『ものの見方や考え方』を見直してみること。どう受けとめるかによって心身に不調をきたすこともあるので、見方や考え方を変えてみることで楽になることもあります。
組織(管理者・上司・先輩)からのサポートが重要
職員のメンタルヘルスを維持するためには、「組織的なサポート」が極めて重要です。
周囲の人からのサポートがあるかどうかで、職員の精神的健康度は大きく変わってきます。
同僚や部下・後輩の様子がいつもと違うと気づいたら「困っていることある?」「いつでも聴くよ」などの声をかけてみましょう。
職員を孤立させないような配慮が必要です。
新規採用職員のカウンセリング、ストレスやセルフケアなどの研修、ストレスチェックを活用した職場環境改善などに取り組みましょう。
組織としての様々なサポートをしっかりと積み重ね、職員が組織(職場)に守られている・支えられていると実感できる職場環境を提供することが重要です。
〈メンタルヘルスの予防や支援に活用できるサイト〉